朝の目覚めから自分を変える

生き馬の目を抜く如き経営環境では、一瞬の判断が明暗を分けることがあります。誤った判断や決断の遅れが命取りになる場合もあるだけに、経営者には、「直観力」が求められます。

この直観力を磨き高めるのが、気づきを疎かにせず、すぐに処置する即行(そっこう)の実践です。気づいていても〈後でいいや〉とうやむやにしていると、直観力は鈍ってしまいます。

そして、この即行の最たる実践が「朝起き」です。朝の目覚めという気づきを捉えて起きる、一日一回しか訪れないチャンスを逃さずつかまえていくことで、必ず直観力は磨かれていきます。

毎日の睡眠においては、起きようと思っていた時間よりも早く、深夜に目が覚めることもあるでしょう。その際も起きるのかというと、起きるのです。もしかしたら戸締りを忘れていたり、居間の電気を付けたままにしているかもしれません。また、仕事のヒントがパッと浮かぶこともあります。それらを処置した後に、再び横になればいいのです。

今年、還暦を迎えたA社長は、三十代前半に倫理法人会に入会しました。入会早々、倫理研究所の教育施設・富士高原研修所で「経営者セミナー」を受講しました。当時は二代目若社長として、もがき苦しんでおり、〈何か得られるなら〉という思いでの受講でした。

様々な講義や実習を終えた研修初日の夜、受講生たちは、講師からこう告げられました。

「倫理は実践が命です。明日、皆さんに実践していただきたいことがあります。それは、朝起きの実践です。明朝四時の館内放送と同時に起き出し、寝具の片づけを行なってください」

「幕末の志士である西郷隆盛も朝起きを重視していました。目覚めると同時に、布団を蹴飛ばして起きていたそうです」

当時、A社長は朝が苦手でした。目覚まし時計を何度も止めては、やっとの思いで起きていました。

 

翌朝、四時に館内放送が流れると、八人相部屋の中、A社長以外の七人は布団を蹴飛ばすように起き出し、寝具の片づけを始めました。A社長といえば、体は起こしたものの意識朦朧で、気づいた時には、自分の寝具まで同部屋の先輩が片づけてくれていたのです。

自分の甘さ、実践力の差を痛感したA社長は、朝起きの実践を本格的に始めるようになりました。朝起き、そして日頃の即行は、その後のA社長の実践の大きな柱となりました。やがてそれが直観力を高めていったのです。

ある商談で、仕事がまとまりかけた時、先方の発言にふと違和感を覚えたA社長。その日は契約をせず、「後日返答します」と持ち帰って商談内容を精査しました。すると、内容に不備があることがわかり、会社のピンチを未然に防ぐことができたのです。

直観力は、一朝一夕には身につきません。「あの三十年前の研修が大きな転機となりました」とA社長は述懐します。

 

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大決断の拠りどころを持て

決断はどうしたらできるのか。決断には、こうだから、こう決めるという、拠りどころが必要だ。それがなくては、決めようがない。これはいわば決断の基礎であり、根拠である。それによって、方向が決められるのだ。では、その根拠をどのようにして得ればよいのだろうか。

囲碁や将棋の専門家は、盤を前にして時には何時間も考える。短時間で数百手も先を読むというその道の達人でも、次の一手を決断するのに長時間をかけることがあるというのは、やはりこうしたらよい手、勝つ手になるという根拠を長時間かけて探しているわけだ。

棋士たちの場合、次の一手を読み切ることが難しくて、どうしても読みきれない時は、持ち時間の切迫もあり、最後は勘によって決めなければならないだろう。

私たちの日常生活でも、最後は直観、するどい閃き、強く心に映じたもの、いわゆる勘によって決めることは多いのである。いくら読み切ろうとしても社会の変化、周囲の条件などの消滅生起が分からなくて、最後はこうしようと押してゆく。

成功している人たちは、この直観を正しく働かせていることが多い。これには平素の生活が大切だ。朝自然に目がさめる。起きようと心に思う。これは朝の直観、毎日の始まりである。「起きよ」と直観したら、すぐに起きる。夜具の中にいつまでもモゾモゾしているような生活では直観の働きが悪くなる。試しに自分でやってみるがよい。まず一日のスタートから直観で、気づいたことをさっさと実行してゆくことによって、勘は冴えてくる。応待も素早く、決断もすぐに下せるようになる。反応がにぶいというのは、気づいたことをさっさと行なわないからで、直観を粗末に扱うことである。

大決断をするには、平素から小さな決断をテキパキと下すようにすること。小さな決断をおろそかにしていては、大決断はできない。小も積もれば大となるというが、決断は小が積もって大となるというより、小さなことでいつもぐずぐずと迷っているような直観の働かせ方では、大きなことに臨んでも直観が働かないということだ。

次に大切なのは、いつも自分のことを主にして考え、自分の利益だけに重点をおくという生活をしないことだ。

自分に五割の利があれば、相手にも五割の利を考えてやるとか、自分よりもむしろ相手の立場を尊重して、しかも厳然と処置するとか、要は自分以上に相手のためを思うという愛情を決断の根拠にすることである。

これは利害得失にこだわるのではなく、相手のことを十二分に尊重するという〝倫理〟の実践である。これは商道にかぎらず生活の根底にあるべき最重要な基準で、これを根拠にして決断をくだすように心がけてゆくと、案外に迷いが少なくなる。そして一時的には不幸になるようなことがもしあっても、やがて真の幸福が与えられるようになるのである。

(『丸山竹秋選集』より)

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安岡正篤一日一言

自ら反る/安岡正篤一日一言1105

君子は自ら反(かえ)る---「自反」ということは「論語』『孟子』の根本精神といってよい。
自ら反る、自らに反る。自分で自分に反る。例えばつまずいてけがをした。
「こん畜生!」といって石を蹴る人聞がある、そういうのはつまらない人間である。
つまずいた時「ああうっかりしていた。おれもまだいけないぞ」と反省する。
例えば武道の達人だったら、つまずいてひっくり返るとかいうことは決してない。
物につまずいてひっくり返るなんて、これは迂闘(うかつ)のいたすところだ。
修行未熟のいたすところだ。
だからそういう時には、「しまった。おれもうっかりしておった」と自ら反る。
それが本当の人間である。
その人は確かな人であり進歩する人だ。
そこからも非常に変わってくる。

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『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―
11月5日 「相談しては叱られた」
人の上に立てば立つほど迷いが生じてきます。
私は幸之助によく相談に行きました。
ところが、自分の指導者としての一念を明確に持たないまま行くと、
「君はそれでも指導者か」と、その場で叱られたものです。
いかなる困難であってもそれに対して進むべき時、
必ず自分なりの考えを持って事にあたることです。
そうすることで必ず道は開けます。

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安岡正篤一日一言

僻/安岡正篤一日一言1104

修養学問のし始めはとかく鼻についたり、仲間外れになるものが多い。
之(これ)を僻(へき)と謂う。

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