『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月14日  「人に光を当てんといかん」
人に光を当てるということを、幸之助に言われたとき、まさか
懐中電灯で照らすのかと、若気の至りで思いました。
そうではなく、人間をすべての中心に据えて、ものごとを考えろ
という意味でした。
「木野君、あの○○君は今どうしてるんや。人間がおとなしいか
ら、何か困ってることないやろな?」
幸之助の人間主役の経営を実感した瞬間でした。
心優しい「仁の人」でした。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月13日 「自分をチェンジするんやで」
幸之助は、私が松下電送の社長時代に、
「木野君な、経営理念に祈って祈って、人ではなく自分をチェンジするんやで、
 チェンジするのは自分の生命や」
 と、よく言いきかせてくれました。
 自分の生命をチェンジするとは、考え方をチェンジするという意味でした。
 そうして、宇宙根源の法則に乗って、勝手に道が開けてくるのです。
 今思うと、幸之助は短い言葉で、深い深い生き方の極意を伝えてくれていたのです。
 

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月12日  「変わったことはないか」
 会社を取り巻く環境は目まぐるしく変わっています。
 よく会社へ行くと、挨拶代わりに
「変わったことはないか」
 と聞きます。幸之助は真剣に変化に対して質問をしていました。
 しかし、よくよくその態度を観察していますと、
 変化を先取りする姿勢が大事だと言うことに気づかされました。
 変化を知った時は遅れているのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月11日  「夢は自らつくる」
 幸之助の信条は、自分の力でものごとを決めることでした。
 よく「経済と経営は違う」と言っていましたが、
 経済に影響を受けるのは、人頼りの経営だと考えていたようです。
 よく先延ばしをする経営者がいます。
 来年の景気が良くなるから、来年に延ばそうというような考えです。
 すると決まって幸之助は、
「その考えが甘いんや!自分の夢は自らが創るもんや。
 人を頼りにしたら明かん」
 と厳しく注意していました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
12月10日  「明るい方から見る」
「木野君な、ものごとが起きたとするやろ、起きた事実は一つや。
 明るい方から見るか、暗い方から見るかで、
 一八〇度ものごとは変わるんやで。
 どっちから見た方が、成功すると思う」
 幸之助はいつも質問してきました。
 この質問は、鍼灸師宅で、針治療をしながらの時でした。
 一つのものごとでも、多面的に見る事が大事だと教えられたものです。