『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
6月5日  「声なき声に耳を傾ける努力が必要」
 幸之助は、私が再建会社の代表になった時に
 注意すべきこととして、次のように話してくれました。
 「最高責任者には、本当のことを言ってくれる社員は少ない。
 それだけに、声なき声に耳を傾ける努力が必要だ」
 と、声なき声を聞くために、耳が二つある。
 見えない物をみるために目も二つある。
 口は一つなのは、
 指導者には二言あってはならないということなのだ」
 と、厳しく教えてくれました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
6月4日 「一歩一歩の歩みが大切」
 「人生には、カメのような歩みが大切。
 二歩、三歩いっぺんに飛ぼうとすれば失敗する」
 と、よく叱られました。
 幸之助は、「歩一会」という、
 社員の会を作っていました。
 一歩・一歩の歩みの重要性と、
 「社員と歩みをともにする経営」
 を大切にしていたのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―
6月3日 「心配りの行き届いた仕事」
幸之助は、「心配りの行き届いた仕事は、一朝一夕には生み出せない。
やはり日ごろの訓練や躾(しつけ)がものをいう」と、社員の教育に
力を入れていました。
宮本武蔵は、千回の稽古を「鍛」と言い、万回の稽古を「錬」と言って
修行しました。
だから、武蔵はピンチに立っても無敗だったのです。
経営には、剣豪のような研ぎ澄まされた、経営の勘が大切です。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
   ―この時代をいかに乗り切るか―
6月2日  「自由自在な智慧もでてこない」
 「窮屈な枠の中で、窮屈なものの考え方をしていては、
 心の動きも鈍くなり、自由自在な智慧も出てこない」
 私が松下通信工業株式会社東京営業所長になった時、
 頂いた言葉です。
 窮地は常にある、それを乗り越えていくところに、
 経営の妙味があるのです。
 矛盾を矛盾としない、経営の自由度を三六〇度にすれば、
 生命の美しい花は咲くのです。