『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

5月4日 「日々新た」

東方電気再建の折、「木野君、会社は規模の大小やお金の
あるなしや人の大小が問題ではない。最大の危機は経営者が
弱気になり絶えざる努力と創造をしないからだ」と、教えられま
した。

やはり、一念を定めて行動するとき、周りが勝手に変化を起こ
してくれるのです。環境や規模の大小を気にすることなく、幸之
助は人間の偉大な可能性と希望を見ていたのです。「日々新た」
とは、このことだと学ばされました。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

4月 「武士の恥を知らざること今日に至り極まれり」

 

君子は徳義なきを恥ぢ、小人は名誉なきを恥づ。君子は才能なきを恥ぢ、小人は官禄なきを恥づ。(中略)小人の恥づる所は外見なり。君子の恥づる所は外見なり。君子の恥づる所は内実なり。(中略)抑々恥の一字は本邦武士の常言にして、恥を知らざる程恥なるはなし。武士の恥を知らざること今日に至り極まれり。 安政3年5月17日「講孟劄記」

【訳】

心ある立派な人は、人として踏み行うべき義理の心が足りないことを恥じ、つまらない人間は、名誉がないことを恥じる。君子は才能がないことを恥じ、小人は官位や俸禄が低く、少ないことを恥じる。(中略)小人が恥じるのは外見である。君子の恥じるのは心の内面である。(中略)だいたい、「恥」という一字は我が国の武士が常に口にする言葉であり、恥を知らないということほど恥ずかしいことはない。その武士たるものが恥を知らないこと、今日ほどひどい状態は未だかつてない。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

5月3日 「不況の中にも成功は潜む」

如何なる不況の中にも成功が潜んでいるものです。
ただ我々にはどこにあるかを知らないだけです。

幸之助は、内なる志と社会の要請が一致すれば、そこには
不景気も景気もないと確信して、世界の大恐慌の時も、逆に
成長発展をしていったのです。

不景気の後は必ず発展するものであり、すべては生成発展
するという、宇宙根源の法則を信じていました。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

5月2日 「最善の上に最善を尽くす」

ある時、幸之助に報告に行きました。
それなりに自分でも納得のいく結果でしたから、当然ほめてもらえると
思ったのです。
ところが「木野君、もっと努力する余地はあるな」と言われました。

幸之助は生き方の信条として、努力の上に努力を重ね、それでもなお
最善を尽くして、新たな創意工夫をした人でした。

その一念に生きたとき、必ず事業は成功するものです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

5月2日 「畢竟一誠なり」

 

人唯だ一誠あり、以て父に事ふれば孝、君に事ふれば忠、友に交はれば信。此の類千百、名を異にすれども、畢竟一誠なり。 安政3年5月29日「講孟劄記」

【訳】

人にはただ一つのまごころがある。これをもって、父に仕えれば孝となり、君主に仕えれば忠となり、友と交際すれば信義となる。このようなことは大変多く、名前は異なっているが、つまるところはただ一つ、「まごころ」である。