『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月9日 「速久処仕已に初めに決す」

 

易に云ふ如く、「君子は幾を見て作ち、日を終ることを待たず」の理にて、道の否泰、時の可否は聖人一目瞭然にして、速久処仕已に初めに決す、亦明決ならずや。  安政3年6月7日「講孟劄記」

【訳】

『易経』にいうように、「心ある立派な人は、ことのきざしを見て、すぐに行動を起こし、一日たりともぐずぐずしてがいない」。この通りであり、聖人は、人としての道が正しくないか、正しいか、また、時宜が適当であるか否かをすぐに見抜き、その最初において、自分の進退を決めている。まことにはっきりした決意ではないか。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月8日 「今やるべきことをやる」

幸之助の発想の原点は、宇宙根源の法則です。
太陽は東から昇り西に沈みます。
つまり大自然の運行のように我々の経営にも代えがたい
法則があるのです。

しかし大きな視点だけで経営をしたのではありません。
現実を見据え、今やるべきことは何かを決して忘れない
人でした。
今日一日、この一瞬に、明日を作る力があるのです。
成功は、瞬間決算の積み重ねです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月7日 「細行を矜まざれば」

 

「行住坐臥、暫くも放心せば則ち必ず変に臨みて常を失ひ、一生の恪勤、一事に於て闕滅す。変の至るや知るべからず」と云ふは、細行を矜まざれば、遂に大徳を累はすと云ふと同一種の語にして、最も謹厳なる語なり。  安政3年8月以降「武教全書講録」

【訳】

「普段の生活において、一瞬でも安心して、気を抜けば、必ず非常事態に遭遇した時、平常心を失い、生涯をかけて励み勉めてきたことも、一つのちょっとしたことで、全てをなくし、失ってしまう。いつ変が起こるか、予測することは難しい」ということは、些細なことにも心を尽くして対応しなければ、ついに、(それまでの生涯をかけて築き上げてきた)大きな恩徳さえも台無しにしてしまう、というのと同じ教えである。最も慎み深くて厳格な言葉である。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

6月7日 「善循環の発想を」

幸之助は、「不況なお良し」と、不況の時に大きく飛躍し
ています。「不況は自分の心の内にあり、外側の環境に
はないのだ」と、教えられました。

この時代を悲観的に解釈すれば、経済の動きに一喜一
憂せざるを得ません。多くの人が自信をなくしていますが、
私は幸之助の教えこそ今の世の中を救うとさえ思ってい
る一人です。

すべては生成発展という善循環の始まりの発想を持つべ
きでしょう

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

6月7日 「蒼天に附す」

 

身跡を将つて蒼天に附す。  安政2年正月元日「乙卯稿」

【訳】

我が身は全て天運にまかせる。(自分であれこれと画策しない。)