川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
7月31日 「苟も道に志して」
士、道に志さざれば則ち已む。苟も道に志して、禍を畏れ罪を惧れ、言を尽くさざる所あり、容を当世に取り、過を将来に胎すは、豈に君子の学を為す者の為す所ならん
や。
安政5年11月朔日「国柱に跋す」
【訳】
士たるもので、道に志さないのであれば、それで終わりである。仮にも道に志した士が、眼前の禍を恐れ、罪に問われることを恐れて諫言もせず、悪しき事態を容
認し、将来にあやまちを残すようであれば、それは君子の学問を学ぶものの態度であろうか。そうではなかろう。