『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月7日 「君子の心」

 

人已に過あらば、吾れ従つて之を咎む、過ちて則ち之を悔ゆれば、吾れ従つて之を喜ぶ。是れ君子の心なり。 安政6年4月23日「※1子遠・※2の和作に与ふ」

【訳】

人が悪いことをすれば、私はそのことをとりたてて、非難する。しかし、これを反省し、改めれば、私はこれを喜ぶ。これが心ある立派な人の心である。

※1 長州藩の足軽 入江杉蔵。松陰の高弟。野村和作は実弟。

※2 和作は入江杉蔵の実弟であり、松陰の高弟である野村和作。後の子爵 野村靖。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月6日 「背後にある流れ」

「ものごとの背後にある流れや、つながりを見通す目と心を
養え」
よく言われた言葉です。経営の原点です。
物の一面に捉われることは、失敗を呼ぶ。
自然は見えざる絆を、目に見えるものにするための仲立ち
の役目を果たしているのです。

幸之助は素直に外側の自然に目を向けることによって、自分
の内面を深く掘り下げてきたのです。
幸之助の振る舞いは、自然そのものでした。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月6日 「心を養ふは」

孟子曰く、心を養ふは寡欲より善きはなしと。※周子曰く、これを寡くして以て無に至ると。孟・周の言、学者に於て尤も切なりと為す。 安政3年6月10日「講孟劄
記」

【訳】

孟子は、「心を養うには、欲を少なくすることが最もいい」という。また、周子は、「欲を少なくして、最後はなくしてしまうのがいい」という。孟子・周子の言は、学
問をする人間にとってこそ、最も切実な教えである。

※ 周 濂渓。1017~1073.中国、北宋の儒者。湖南省道県の人。宋学の始祖。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

8月5日 「難局に直面した場合」

難局に直面した場合、幸之助は「まず、その事実・事態を
はっきりと素直に認識することが大事である」と、言って
います。
あわててはいけないのです。

この難局の向こうに成功があることを確信することが大切
であり、難局こそ成功に至る道と信じることが大事なのです。

未来は、今の生きる振る舞いによって決まるのです。

『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月5日 「無用の言を言はざる」

吾が性多言なり、多言は敬を失し誠を散づ、故に無用の言を言はざるを第一戒と為す。  安政6年5月24日「※1李卓吾の『劉肖川に別るる書』の後に書して※2子大に訣る」

【訳】

私はどうも多弁な性格である。多言であれば、敬いの気持ちを失い、まごころが散り失せてしまいがちになる。だから、必要のない言葉は口にしない、ということを第一の戒めとしている。

※1 1527~1602。中国明代の思想家。

※2 長州藩士 佐間忠三郎昌昭。松下村塾の門人。子大は字。