『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

10月11日 「見解なくては」

※白楽天の詩に、「亦此の身を恋ふるなかれ、万却煩悩の根、亦此の身を厭ふなかれ、
一聚虚空の塵」と云ふ(中略)武士たる者此の見解なくては討死は出来ぬなり。
安政3年8月以降「武教全書講録」

【訳】

白楽天の詩に、「この身を愛惜してはいけない。なぜなら、永久に煩悩の根本であるから。
また、この身を嫌がってはいけない。なぜなら、たかが空をただよう塵の集まったものに過ぎないのだから」という。
(中略)侍たるもの、このような見方ができないようであれば、討ち死になど、できはしない。

※772~846.白居易。中国、中唐の詩人。詩は「逍遙詠」の一節。正しくは、
「此の身何ぞ恋ふるに足らん、万却煩悩の根。此の身何ぞ厭ふに足らん、一聚虚空の塵」である。

この身、この命を捧げても良いという仕事に出会えている末本は幸せです。
この命を何に使うか!ですね。

子は天からの授かりもの

子供の本質とは何でしょう。
倫理研究所の創設者・丸山敏雄は、子供は「親のもの(私物)ではなく、天の子である」と述べています。
「授かりもの、預かりもの」こそ子の本質であり、それをわがものとして思い通りにしようとするから、
間違いと苦しみが起こってくるというのです。
子の本質とは、具体的には次のようなものです。
●愛情の相手
「愛は母乳の如く、与えぬと涸れてしまう。井戸水のように、汲まぬとくさってしまう。
無尽蔵とは愛の倉につけた名であろう」(『万人幸福の栞』)。
愛情は与えるものであり、出すほどに良いものが出ます。
親は、子供という愛情を注ぐ対象を天から授かりました。
 子育てを終えた夫婦がペットを飼う、というケースがありますが、子供たちが巣立ったことで、
愛する対象がペットに引き継がれて、心が満たされるのでしょう。
●和楽の中心
 幼い子の仕草に、誰もが微笑ましい気持ちになることがあります。
「夫婦の諍いを何気ない子供の一言が解決した」という経験をお持ちの方もいるでしょう。
Aさんの次男は、いつでもどこでも笑顔を絶やしません。家族だけでなく、周囲の人達も和やかな気持ちにさせてくれます。
「次男の笑顔に何度も助けられた」とAさんは語ります。
●親の心の鏡
 Bさんは娘の素行の悪さに手を焼いていました。信頼する先輩にそのことを相談すると、
娘が生まれた時の気持ちを問われました。
男の子を望んでいたBさんは、娘の誕生を心から喜ぶことができなかったのです。
そして、父親である自分の心が、娘の行為に表われていることを実感しました。
親の心を、そのまま鏡に映るように子供が見せてくれるのです。親は自分を振り返って、道を改めてゆくほかありません。
●親の身代わり
 丸山敏雄は「子は親の身代わり」ということを、自身の実験を通じて実感しました。
四歳の次男が麻疹にかかった時、自分たち両親の心の間違いが病気の原因なら、
風にあてても風呂に入れても差し支えないはずだと考えた敏雄は、次男を連れ、春先の川堤で桜を鑑賞し、共に風呂に入りました。
そして、これまでの夫婦の心遣いを反省して改めると、翌朝、次男は食欲も回復し、すっかり元気になりました。
●親まさり
子供は親たちが持っているもの、祖先から引き継いだものすべての上に自分の創作を加え、子孫へ譲っていきます。
まるでリレーのように、次の世代へとバトンを繋いでいくのです。

これらの本質をしっかり捉えて、「授かりもの、預かりもの」であることを忘れずに、親の役割を全うしたいものです。
また、この親と子の関係は、企業における社長と社員の関係にも置き換えることができるでしょう。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

10月12日 「信念の有無で決まる」

幸之助は、「自らの努力で困難を開拓し得た境地には、金銭に
代え難い人生の味わいがある」と述べています。

金が主役の経営では、毎日が金に振りまわされ、金に追いかけ
られ地獄となるのです。

人間主役の経営、王道の経営に徹すれば、苦難を勝利に導くこ
とが出来るのです。

経営の主役を何にするかが企業の成否を決めます。
幸之助に人生は自らの努力で困難を開拓した人生でした。

キョウエイホームの経営の主役は
共栄の実現=三方良しの経営
お客様の幸せ+取引先様の幸せ=社会貢献=キョウエイホームの幸せを目指します。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

10月11日 「人生の壁は、誰にも訪れる」

人生の壁は、誰にも訪れるものです。
しかし、壁に苦しみ、悩み、傷つき、苦闘し、格闘する中で、
人は人格を高めていくのです。
幸之助はそうやって道を開いていったのです。
「君、人生の壁は天が与えてくれるまたとない試練やで」と
よく言われました。
自分に与えられた天命を自覚し、「このことは後になって必ず役に立つ」と
決意すれば道は自然と開けるのです。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

10月10日 「焦ってはいけない」

「君な、不況の時、逆境に出会った時こそ焦ってはいかんのやで」。
そういつも幸之助に叱られました。
幸之助は、安易な近道より王道を歩いた人です。
今世の人生は一回かぎりの大舞台と思えば、焦らずとも
結果は自ずから出ます。
今の希望を一生持ち続ける人こそ、偉大なのです。
くれぐれも焦ってはいけません。