『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

7月31日 「先のことは誰にもわからない」

先のことは誰にもわからない。

幸之助は、「どうすれば、うまくいくか。あれこれ、思い巡らすこ とも大切だが、

ある程度考えた後は、実際に行動に移してみることがより大切だ」と教えてくれました。

そこから、思いもよらなかった道が開かれてくることが多いのです。

自分の心と向き合うことが大切なのです。
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先の事に気をとらわれず、今を大事にします。

借金を返すみち

借金を返すには、どうしたらよいのか。それは、返済しようとする意図を、
明確にもつことである。これがまず第一に、そして根本的に必要な心がまえである。
そんなことはわかっている、などというなかれ。
借金を返せないのは、じつは、この心がまえが、ほんとうにできていないからである。
じっさいの世の中は、ペンでかくようにスラスラとはこぶとはかぎらない。
わかってはいても、どうにも泥沼からぬけだせないで、いつまでもあがいているような事例は、
いくつもある。
しかし、ほんとうにどうにもならぬのであろうか。けっしてそうではない。
かならずそこに、きりひらく道があるのである。
借金を土台にして、りっぱにたち直る方途(ほうと)があるのである。
それは、
【第一】に、金銭を貸してくれた人にたいして、心から感謝の思いを捧げ、
    日々に新たな感激をもって、しごとにいそしむことである。
【第二】に、借金をしていることを嫌がらずに、よろこんで受け入れ、人のため、
    社会のためを念願しながら、嬉々(きき)として働くこと、
    そして夫婦者は仲よくすることである。
    借金をしたことを嫌がっていると、その苦境をのり切ることはむずかしい。
    借金することができたという事実こそ、じつはすばらしいのである。
    みこみのない人には、だれも金銭を貸してはくれない。そのことだけでも、
    うれしいではないか。
【第三】に、返すべき期日がきたならば、貸し主に対し、円満に話をつけることである。
    つまり、一方的にひとりぎめしてはならないということである。
    相手の意向どおりになんでもするという決心のもとに、相手を尊重して、
    相手のなっとくするやりかたで、その期日のつど、話をつけさせていただくことである。    相手の好意をいいことにして、相手を粗末にあつかっていると、
    ますます自分が苦しむようになる。
【第四】に、金銭は生きものであり、もとの貸し主のほうへ絶えず返りたがっている
    ものであることを思い、自分自身を楽にするような方途(みち)には、
    すこしも使わず、得られただけのものは、すみやかに貸し主にかえすこと。
    利息を惜しまないようにすることである。
    すこし儲けがあると、ヤレヤレとすぐ楽をしたがるけれども、それはあやまりだ。
    返すことに追いたてられるような暮しではなく、返すことをこちら側から追いかける
    ような前向きの姿勢で、積極的に金銭を活かしてつかい、利益があるとすぐ相手に
    返すようにしてゆくと、ますます利益があがるようにできている。
    ここに重大なカナメがある。ここを考えちがいして、惜しんだり、
    ケチケチしたりしていると、いつまでたっても、うだつがあがらない。
    自分のほうに引きよせようとすると、金銭は逃げてゆく。
    くりかえしていうが、自分にはほんとうに借金を返す気があるのかどうかを、
    毛ほどのごまかしもなく自分自身に問いつめることである。ほんとうに返す気がある
    ならば、借金は返せるし、返す気がなければ、けっして返せない。
    心が事情に先行するからである。
    (月刊『新世』一九六六年九月号より)
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会社での借り入れはあと5年で完済。
無借金経営にします。

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

7月30日 「問題が起こってからでは遅い」

「問題が起こってからでは遅い、起こる前に原因を察知して、
手を打ち、問題を起こさぬようにしないと、経営者として落第
だ」と幸之助は厳しく教えていました。

自得する心構えなしに、本当のプロは生まれないのです。
自得の精神あってこそ、知識も人の教えも生きて来るのです
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問題が起こる前の対策が大事ですね。