ある日のモーニングセミナー終了後、Kさんは講師に、
「お金をたくさん稼ぐにはどうしたらいいですか?」と尋ねました。
講師は「金銭の性質をよく理解して、生かして使うことですよ」と答えました。
しかしKさんには、今ひとつピンときません。
再度「金銭の性質とは何ですか。生かすとはどういうことでしょう」と尋ねると、
講師は『万人幸福の栞』の八十頁を開き、次の文章を示したのです。
物をほんとうに働かすとは、使う時思いきってこれを使う事である。
ケチケチするのは、金銭を生かす事にはならぬ。大たんに、よろこんで、すぐにこれを出す。
これが生かすこと、金を働かすことである。
*
金銭には「流通する」性質があります。
一箇所に留まらず、人から人へ流通するのが金銭であり、そのように金銭を扱うことが、
すなわち「生かして使う」ことになります。
例えば、一人千円ずつ持った人が三人いるとします。
三人は手に持った千円を隣の人に渡していきます。もし一分間で十回転すれば、
一人一万円を受け取り(一万円の収入を得て)、
一万円を支払った(一万円分の消費をした)ことになります。
さらにテンポよく、一分間に二十回転することができれば、
世の中にある金銭の額は同じ三千円であっても、二万円の価値交換が行なわれたことになります。(※)
こうした流通が活発であればあるほど「好景気」と呼ばれ、滞れば「不景気」と呼ばれます。
好景気とは、いわば金銭の持っている性質がより引き出された状態を指すのでしょう。
この場合のポイントは、支払いにあります。先の例で、
もし自分のところに回ってきた金銭を出し惜しみして、留めてしまえば、
循環はそこで止まってしまいます。手元におかれた金銭は、
その本来持っている性質を生かすことができず、腐ってしまいます。
「流通する」という金銭の性質を最大限に引き出すには、なるべくはやく金銭を回すこと。
そして、払うべき時は躊躇せず、「大たんに、よろこんで、すぐに」出すことです。
世の中が好景気になるのを待たずとも、好循環の流れを見つけて自ら飛び込んでいくことで、
金銭を流通させ、おのずと恵まれていくようになるのです。
*
Kさんは、講師の話を聞き、これまでの生活を振り返りました。
収入があれば喜び、支払日は憂鬱に過ごしていたことに気がつき、
使う時も無駄に衝動買いをして、後で悔やんでいたことに思い至りました。
その後は、金銭を生かして働かせることを誓ったKさん。
収入があることをよりいっそう感謝して受け止めると共に、支
払う時も、喜んでお金を送り出そうと心に決めたのです。
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喜んで支払うべきお金を支払い、良い循環を生みます。
月別アーカイブ: 2015年8月
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―
8月7日 「わが人生に悔いなし」
とにかく働きました。体の動く間は働き続けたのです。
カレンダーの休みの日も、自分が満足するまで
働いたことを振り返ると、わが人生に悔いはありません。
しかし、最愛の女房や家族には多くの迷惑をかけたと
思っています。
許して欲しい、ただただ許して欲しいと素直に思うのです。
しかし、幸之助の人生に少しでも触れたことは、
再び同じ生き方をしても良いという充実感に満たされて
います。幸之助は私の人生の救い主です。
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人生に悔いを残さぬよう精一杯生き、仕事に取り組みます。
福岡市東区にてタイル貼り状況です。
福岡市東区 タイル貼り
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―
8月6日 「背後にある流れ」
「ものごとの背後にある流れや、つながりを見通す目と心を
養え」
よく言われた言葉です。経営の原点です。
物の一面に捉われることは、失敗を呼ぶ。
自然は見えざる絆を、目に見えるものにするための仲立ち
の役目を果たしているのです。
幸之助は素直に外側の自然に目を向けることによって、自分
の内面を深く掘り下げてきたのです。
幸之助の振る舞いは、自然そのものでした。
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物事を様々な角度から見つめ、
本質を掴みます。