『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

12月23日 「松下経営哲学を語れ」

私は平成10年に幸之助の夢を見ました。
まだ若いとき、私のことを「熱心な子でしてね」と紹介
してくれたのです。本当に今、思いだしても歓喜に絶
えません。

94歳で亡くなるまでの44年間、振り返ると迷惑ばか
りを掛けていました。
しかし、側にいる機会が多かったせいか、よく叱られ、
そして育てられました。松下経営哲学を語り継ごうと
決意したのは、夢を見た時からです。

 

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより

今年があと一日あればと思う前に

クラップ業を営んでいるTさんは、二代目の社長です。

どの業種でも、年末は忙しくなるものですが、Tさんはとりわけ多忙を極めます。スクラップの回収依頼が山のようにあるからです。「今年があと一日あればいいのに」と、毎年思っていました。

多くの会社では、年末に、社内や工場内の大掃除を行ないます。鉄くずや古紙、不要な物が大量に出るため、業者に回収を依頼します。社内をスッキリさせて、きれいな環境で新年を迎えようと思うのはどの会社も一緒です。

Tさんは毎年末、回収に明け暮れていました。自社の片づけをするのは、仕事納めの日、すべての得意先の回収が終わった後です。ほぼ徹夜で工具の手入れをすることもありました。

先代である父親から「何をバタバタしてるんだ。早く仕事を終え、工具類の整理整頓をやれ!」と怒鳴られながら、「あと一日あれば片づけられるのに」と、Tさんはぼやいていたのです。

 

そんなTさんが 純粋倫理を勉強するようになりました。その中で次のような文章に触れたのです。

あと片づけをせず、使った道具の手入れせず、靴を揃えぬ、傘のしずくを乾かさぬ、こうした事は身のたしなみとしての単なる作法だとか、行儀とかと心得ているのが、これまでの考えであるが、これを忘れることが、いろいろの不幸の原因(もと)となるのである。

(『万人幸福の栞』第十三条)

たかが後始末と思っていただけに、「いろいろの不幸の原因」という言葉が胸に突き刺さりました。そして、思い出したのは父の仕事ぶりでした。

創業者である父親は、年末の仕事納めの日になると、工具類を油で磨き、工具置場に整然と並べていました。感謝と労いの意味を込めて工具の後始末をし、掃き清めた工場に鏡餅を備えて新しい年を迎えるのが常でした。

また、得意先のスクラップ置き場には関係のないゴミも混入しているものですが、父はそうしたゴミも持ち帰っていました。

「お客さんはスクラップ置場もきれいにしたいだろうから、ゴミも持ち帰るように」と、父は常々口にしていました。当時は面倒だなと思っていましたが、父は、得意先も自社も、しっかり後始末をつける商売をやってきたのだと、今更ながらに思ったのです。

〈自分も父のようにきっちりと始末をつける仕事がしたい〉と思うようになったTさん。とはいえ、年末は稼ぎ時です。回収を減らす訳にはいきません。そこで、年末前の、比較的余裕のある時期から工具の手入れを行なうと共に、日々の後始末を徹底したのです。

この実践に取り組んで以来、Tさんは、年末に慌てることがなくなりました。仕事納めの日は最小限の後始末で済むようになり、落ち着いて新年を迎えられるようになったのです。

今年もいよいよ残すところあと僅かになりました。しっかりと後始末の段取りをつけて、新しい年を迎えたいものです。

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより

 

安岡正篤 一日一言

安岡正篤 一日一言

心を養い、生を養う

12月22日 

誠は天の道①宇宙人生は天の自慊(じけん)的創造である。
自己を実現しつつある努力である。
この絶対自慊にして、何等(なんら)他に俟(ま)つ所を求めない生々化育の努力を「誠」と調(い)う。

誠は天の道である。
誠に由(よ)って萬物(ばんぶつ)があり、誠がなければ物もない。
人は、此の誠に由って生き、禽獣(きんじゅう)と異って自覚を生じ、誠の誠なる所以(ゆえん)を体認して之を発揮するようになる。
これを「誠之」といい、所当然の道とも謂う。

 

 

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『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

12月22日 「結果だけでは」

幸之助は結果を大事にした人です。しかし、経営理念に反する
結果を評価しませんでした。
私はファクシミリの開発の時に結果を急ぎました。
大赤字ですから、なんとか良い結果を創ろうと思ったからです。
しかし、どんなに自社に有利なことでも、よく叱られました。
「神が許さん」という言葉で注意されたこともあります。

 

 

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安岡正篤 一日一言

安岡正篤 一日一言

心を養い、生を養う

12月21日  六験

一、之(これ)を喜ばしめて以(もっ)て其(そ)の守を験(ため)す
人間は嬉しくなると羽目を外す。
しかし、人間には守らねばならない分とか節がある。

それを喜ばされたくらいで外してしまうようでは人間として落第です。

一、之を楽しましめて以て其の僻(へき)を験す
喜びの本能に理性が伴うと、これを楽という。
人間は楽しむと、どうしても僻する。
かたよる。
すると公正を失って物事がうまくいかない。

一、之を怒らしめて以て其の節を験す
人聞はどんなに怒っても、締まるところは締まり抑えるところは抑えなければいけません。

一、之を懼(おそ)れしめて以てその特(独)を験す
人問、恐れると何かに頼りたくなって一本立ちができなくなる。

一、之を哀しましめて以て其の人を験す
人間は悲しいときにその人のすべてがあらわれる。
人物をみるのは哀しませるのが一番です。

一、之を苦しましめて以て其の志を験す
苦しいことにぶつかると、ついへこたれがちになる。
志とは千辛万苦に耐えて自分の理想を追求してゆくことである。
よく苦しみに耐えて理想を追求してゆく人間なら間違いはない。

 

 

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