『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月7日 「ダム経営は、企業の免疫力」

幸之助は、「僕はいつでも『店』を閉める覚悟で仕事をしてきた。
『店』を閉めるとなると『金』もいるし、お客様、取引先、従業員
の皆さんに大変迷惑をかけることになる。そのために『蓄え』が
ないとあかん」と言っていました。

モノ、金だけのダムでなく、「信用のダム」「時間のダム」「心の
ダム」をなによりも大切にしていたのです。

もちろんその前に「無借金経営」があることは言うまでもありま
せん。

 

 

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより

 

安岡正篤 一日一言

安岡正篤 一日一言

心を養い、生を養う

1月6日   活学のすすめ

学問というものは現実から遊離したものは駄目であって、どうしても自分の身につけて、足が地を離れぬように、その学問、その思想をもって自分の性格を作り、これを自分の環境に及ぼしてゆくという実践性がなければ活学ではない。
われわれは今後本当に人間を作り、家庭を作り、社会を作る上に役立つ生命のある思想学問を輿し、これを政治経済百般に適用してゆかなければならない。
いわゆる実学、活学をやらなければならない。

 

 

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより

『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』

木野 親之著
『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』
―この時代をいかに乗り切るか―

1月6日 「はっきりさせておかないと、失敗するで」

「経営といい、商売といい、これみな公事にして私事にあらず」
(経営の心得)

「決算は毎月厳密にこれを行い、一カ月の業績全般を速やかに
知悉(ちしつ)し」(経済の心得)

「独往(どくおう)自主敢えて援助を頼まざるの境地に立ち、而
(しか)して互いに克(よ)く相協力するよう心懸くべし」(社員指
導及び各自の心得)

この教えは、松下の伝統となって今も受け継がれています。

 

福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより

揺るぎない信念を持つ

いったい、どうしたら信念を持つことができるのか。独りでぬくぬくとしていて、ボンヤリ暮らしていては、そういう信念は得られはしない。

自分の目で見、耳で聞き、体でやってみる。これを繰り返すことによって、「なるほど、間違いない、確かだ」ということが分かって来ると、それが信念になっていくことは間違いない。手さぐりでもいいからやってみる。そうしているうちに、なるほど、これでいけばよいのだという確信がついてくる。

その「やってみる」ということを、「実行」「実践」というのである。実践がなければ信念はないのである。

不安や疑問をなくし、弱い、小さい信念をいよいよ強くしていくには、実践を積み重ねていくのが大切だが、それと並んで効果があるのは、この生き方を人にも積極的に勧めることである。人のために力強く、まごころを持って勧めることである。

「お子さんが言うことを聞かずにお困りだそうですが、まず両親が素直にお子さんの言うことを聞いてあげるとか、また他人の言葉を一度は素直に受け入れることが先決だと聞きまして、私もそうやってみましたら、子供が比較的言うことを聞くようになりました。いかがでしょう、あなたもそうやってみられては」

――これは一例にすぎないが、この勧めを素直に受けてやってみた人が、「本当にびっくりしました。子供が言うことを聞かないとき、嫌がらずにそれを受け入れてやって、やさしく注意するようにしてみましたら、子供の態度が変わってきました」と報告してくれる。そのとき、勧めたほうは、「よかった」という喜びと、「確かにほんとうだ」という信念が、一体となって心身を熱く湧きたてるのである。

なるほど、やっぱり本当なのだ、と強く心を打たれ、教えられるのは、勧められた人よりも、勧めたがわの方なのである。

よいことは人に勧めるべきである。よいことを行なう人が一人でも多くなれば、世の中がよくなってくる。そして、勧めたほうも勧められたほうも、そのよさが身について分かってきて、やがて信念となる。

ここで特に注意したいのは、人のためによいことを勧めるという意義についてである。このこと自体がすでに立派であるが、実はその奥に、人のためにというまごころをこめて、つまらぬ我欲を離れてよいことを勧めるとき、いつしか、そのよいことが信念となって自分に返ってくるという事実があることに注目してほしいのである。

「自分のため」という欲があると、コップの中に濁り水が溢れているようなもので、ほかの栄養のある飲み物も入りようがない。けれども、その濁り水を捨てて洗ってしまえば、よい水が入ってくることができる。

信念は、自分だけ、こっそりとよいことをやっているだけでは、本当に強く、固く身につくものではない。人のために勧め、その人が実践してその結果を示してくれることによって、たとえようもない喜びの中に、自分の信念が深まる、返ってくる。ここに説明しがたいほどの妙味があるのである。

(新世書房刊『繫栄の法則』より)