安岡正篤 一日一言
心を養い、生を養う
2月25日
親を見れば
春早々あまり好い話ではないが、狂歌好きの中学先生が生徒に狂歌を教えて各自に作らせてみたものを一冊の単行本にして世に出したことがある。
題して曰く、「親を見りゃボクの将来知れたもの。」
その中にこんなのがある。
…
人なみに叱(しか)られてみたい時もある
俺の親爺は俺がこわいか(中二男)
家庭とは父きびしくて母やさし
それで好いのだうちは違うが(中二男)
心からすがりつこうとする時に
いつも父さん逃げてしまうよ(中一女)
あんな人選んじゃだめよあなたはネ
体験がにじむ母の口癖(中一女)
哀しさは勤めに出てのたまにする
母の話題のそのくだらなさ(中三男)
みんなだめ顔とげとげでいらいらで
他人みたいなわが家一族(中三女)
どれも痛いほど現実をつかんでおる。
道は近きに在りの痛切な一例ではないか。