自然の困難に見舞われても逃げることなく、時に先頭に立ち、周囲を鼓舞できるような
リーダーシップを発揮して成功を収めることのできる人は、どのような人でしょう。
成功者と呼ばれる人たちには、様々な共通点があります。
私たちが学ぶ純粋倫理においては、「気づいた時、気がるに、喜んで、さっと処理する」「
気づくと同時に行なう」というように、「気づき」を活かし、すぐ実行に移すところに
成功の秘訣があると説いています。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」の一文で知られる、武士の心得を説いた江戸時代中期の
書物『葉隠』には、物事を即行動に移すことの重要性が書き記されています。
それによれば、人は「急だらり」「だらり急」「急々」「だらりだらり」の四つのタイプに
分かれるそうです。
①急だらり型…理解は早いが実行が遅い。
②だらり急型…理解は遅いが実行は早い。
③急々型…理解は早く実行も早い。
④だらりだらり型…理解も実行も遅い。
『葉隠』には、「急々が最上で、なかなかそういう者はいない」と記されています。
「理解」を「気づき」に置き換えて、自分の生活を振り返ってみると、
いかに「気づき」を疎かにしているかがわかるはずです。
例えば、朝、せっかく目が覚めたのに、いつまでも布団の中でグズグズしている。歩いていて、
ゴミが落ちていることに気がついても拾わない。自分の視界に相手が入ってきていても、
自ら進んで挨拶をしない。呼ばれていることに気がついているのに返事を返さない…などです。
私たちの脳は、何かをするとき、ちょうどよいタイミングで気づくようになっています。
気づいているのにそれを放っておいて行動に移さないということは、その好機を
逃していることに他なりません。
では、「気づき」を活かし、人生の成功者になるためには、どのような行動を起こしていけば
いいのでしょうか。
それはとてもシンプルなことです。気づいたらすぐする「即行」の実践に徹することです。
例えば、次のような事柄を実践してみましょう。
◎朝、目が覚めると、すぐ起きる。
◎サッと顔を洗い、サッと食事を済ませて、サッと出勤する。
◎仕事が終われば、ぐずぐずせずにサッと退社する。
◎人から教えられたことは、すぐに実行する。
◎手紙の返事はすぐに書く。
◎仕事を明日に残さない。
◎用件を後回しにしない。
◎出足、引き足を早くする。
今この瞬間が、それをするのに最も良い時機であるという「気づき」を大いに活かし、職場でも、
日常生活でも、充実した日々を過ごしていきたいものです。