安岡正篤 一日一言
心を養い、生を養う
10月23日
三上の読書
つまらぬ小説や愚論に類するものはなるべく読まぬようにすると共に、
心が浄化されるような書を読むべきである。
特に朝、それも1時間と言わぬ、三十分でよい。
昔の人も枕上・馬上・厠上の三上の読書ということを言っておるが、
私は長年必ず厠で読むことをしている。
厠で読むだけの時間があるから、何枚も読めるものでもないが、
十年、二十年と経つと、自分でも驚くほどの量となる。
しかしこれは数量の問題ではない。その時に受けるインスピレーション
というものは、到底書斎の中で何々の研究などやっておって得られるものではない。
況やこれから安眠熟睡しようという枕のほとりにおいておやである。
寝る前に週刊誌等を読むのは最も愚劣なるものである。
福岡市東区香住ヶ丘 株式会社 キョウエイホームより