安岡正篤 一日一言

安岡正篤 一日一言

心を養い、生を養う

10月29日

  老の境地

 老は元来老いるという意味と共に、その長年月の経験と修錬とより

出来上がる熟達の境地、なれたとか、ねれたという意味に用いられる。

老手老練老酒など、悪く応用されては老獪などの語に明らかであるがー

若い者に免れない生な点や、又世間の多数者に存する通俗な型を

超脱した風格、もはや一時的な刺激に自己の全部を動かされたり、

事物の一面に捕らわれたり、皮相に止まるようなことはなく、

能く全体を観察し、深く内面に通ずることが出来て、全て自主自由に

観察し行動して何等危っ気の無いところがある。

 けばけばしい色彩はぬけててしまって、落ちついた、渋い味を持っている。

 

 

福岡市東区香住ヶ丘  株式会社 キョウエイホームより