もし文章に句読点がなければどこが文の始まりで、どこが終わりか、わからなくなります。句読点を打つことで、次の文の始まりもはっきりします。
では、日常生活においては、何が句読点の役割をするのでしょう。それは後始末です。
例えば、一日の仕事を終え、使った道具を片付け、場を整理して帰路に着く。これが「。」(句点)としての後始末です。こうした習慣が、次のスタートを良くし、生活にメリハリを生み出します。
また、何か仕事をしている最中に、別の仕事を頼まれたとします。今の仕事に一度区切りをつけ、頼まれた仕事に取りかかる。この「区切りをつける」ことが「、」(読点)としての後始末といえるでしょう。
今週は、日頃聞き慣れている「後始末」について、三つの視点から見つめ直してみましょう。
まず初めに「物の後始末」についてです。道具や機械を使用した際、そのまま放っておくのではなく、手入れを行ない、次に使いやすいように整理整頓することが後始末となります。これを怠ったことで、次のスタートが出遅れてしまったという体験は、多くの方がお持ちでしょう。
さらに使った物に対し、しっかりと感謝の心を持って後始末することが、物を活かす第一歩となり、生活のリズムを整える大きなきっかけとなるのです。
次に「行動の後始末」について考えてみましょう。何かをやり終えた時、成否に関わらず振り返ることが「行動の後始末」です。
失敗した時は、なぜ失敗したのか要因を突き詰め、次にまた同じ失敗をしないように反省する。成功した時も、なぜ成功したのか振り返り、次の成功に繋がるよう工夫を凝らす。この繰り返しによって、成功体験が増えていくだけでなく、さまざまな出来事に瞬時に対応する力も磨かれていくのです。
最後に「心の後始末」についてです。たとえば、就寝する前、「今日一番嬉しかったこと」を思い出しながら休むようにする。そうすることで心がリセット(=後始末)され、明日のスタートを良くするための切り替えができます。反対に、今日一日を振り返る時、あれこれと心配をしながら休んでしまうと、寝つきが悪く、寝起きも良くありません。心のリセットをすることは、寝つきを良くし、目覚めも良くする効果まであるのです。
他にも「心の後始末」の方法として、日記をつけることもお勧めします。その際のポイントは、悪かった点を書くより、今日一日、どのように良いことがあったかを記録することです。また、悪かったことがあっても、それをプラスに転じていく心持ちを書くことで、その日記は、振り返るたびに心を明るく、前向きにしてくれるアイテムへと発展していくのです。
人生を一つの物語と捉えた時、その物語の主人公は自分以外にありえません。どのような物語を作るかは自分次第です。日々、生活を送る中で、しっかりと後始末をして句読点を打ち、自分の物語を作っていきましょう。