母/安岡正篤一日一言0513
明治初期に、儒者としてもクリスチャンとしても、又教育家文学者として典型的な君子人、中村敬宇に「母」と題する名文がある。
「一母有り。
四才児を携(たずさ)えて一牧師に問うて曰く、子を教うるは何才を以て始めとな為すかと。…
牧師問うて曰く、汝(なんじ)の笑顔の光、小児を照せしより、子を教うるの機曾(きかい)始まると、鳴呼(ああ)、世、固(もと)より此(こ)の母の機曾を失う如(ごと)き者多し。
今世の人、口を開けば輒(すなわ)ち文明と曰い、而(しこう)してその本原に昧(くら)し、余嘗(か)って謂(い)う、国政は家訓にもとづき、家訓の善悪は則(すなわ)ち、その母にかかわる。
母の心情、意見、教法、礼儀は其(そ)の子他日の心情、意見、教法、礼儀なり。
斯(ここ)に知る、一国の文明は、その母の文明に本づくことを。」
福岡市東区香住ヶ丘 リフォーム専門店 株式会社 キョウエイホームより