人生の関所/安岡正篤一日一言0828
禅家では関という一語をよく浴びせかける。
関(せき)とは字のとおり、関ということであり、すなわち、引っかかり、行き詰まりであります。
人生は、しばしば出会わねばならぬ関所を幾つも通り抜ける旅路であり、そこで一関、二関はうまく抜けても、三関、四関となると、往々(おうおう)にして、その関所を通ることができず、挫折(ざせつ)する、引き返すということになりがちです。…
そこが関所だ!そこを通り抜けろ!という意味でよく「関」ということを指示するのであります。
辛抱して、努力して関を何関か通りますと、特に難解(なんかい)難透(なんとう)というようなことを禅僧がよく申しますが、難しい、解き難い、通り難い、すなわち、難解難透の関をいくつか通りますうちに、ついに真の自由-古い言葉で申しますと、無礎(むげ)自在というような境地に到達して、すなわち「無関に遊ぶ」こともできるようになります。
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