長考に好手なし

今年の上半期、一人のプロ棋士が大きな話題を集めました。史上最年少でプロ入りし、公式戦29連勝という新記録を達成した藤井聡太四段です。

藤井四段はプロ棋士としてのデビュー戦となった対局で、中盤にこれまでの定跡にはない意外な手を指しました。周囲の観戦者からは「ん? おかしい」と声が漏れ、この後、藤井四段が劣勢になるだろうと思われました。

しかし、本人にとって、この一手は、自身の感覚に即した最善の一手だったのです。結局、これが決め手となって、熱戦の末、藤井四段が勝利を収めました。

対局を解説した中村太地六段は、「藤井四段の直観の正確さがこの場面に表われた。将棋界には『長考に好手なし』という格言があるが、早くパッと浮かんだ、直観に基づいた指し手のほうがいい場合がある」と賛辞を送っています。

藤井四段が将棋を始めたのは、5歳の時でした。幼少の頃から、王手を連続させながら最短の手数で相手の玉を詰ませる「詰め将棋」を飽きることなく解き続けました。膨大な手の中から、最善の一手を瞬時に導き出す藤井四段の直観は、この「詰め将棋」で養われたといわれています。

将棋における直観について、プロ将棋界の第一人者である羽生善治二冠は、自著『決断力』の中で「パッと一目見て、『これが一番いいだろう』と閃いた手のほぼ七割は、正しい選択をしている」と語っています。

このことは将棋に限らないでしょう。仕事上で何かアクションを起こす時、時間をかけて判断するよりも、「これがいいだろう」という第一感を信じて行動した方がうまく運ぶ場合があります。むしろ時間があればあるほど細かなことにまで気が行き過ぎて、かえってうまくいかなかったという経験を持つ人も多いでしょう。

先週の号では、直観を磨き高めていくためには、気づきを疎かにせず、すぐに処置する即行(そっこう)の実践が大切だと記しました。

 

気づいた時、それはそのことを処理する最好のチャンスです。そのチャンスを逃さず、気軽にさっと処理することは、ここ一番の時に直観を働かせるトレーニングになります。そして、直観に身を委ねることができる自信と覚悟も、同時に備わってくるはずです。

以下に、直観を養うための具体的な即行の実践例をいくつか紹介しましょう。

◇朝目が覚めたら、さっと起きる。◇さっと顔を洗い、テキパキと朝

食を済ませる。さっと出勤する。

◇仕事は、間をおかず行なう。

◇手紙の返事はすぐに書く。

◇仕事を明日に残さない。

◇仕事が終われば、さっと帰る。◇飲み会は、さっと引きあげる。

◇夜更かしをせずに、さっと寝る。

常に決断を求められる経営者にとって、直観力を磨き高めることは、そのまま企業の繁栄につながる秘訣ともいえるでしょう。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
〒813-0003
福岡市東区香住ヶ丘6丁目3番8号

お客様と共に栄える
株式会社 キョウエイホーム
代表取締役   末本 要一

TEL   092-401-9009 FAX 092-401-9007
携帯   090-8960-0770
HP    http://www.kyoeihome.net/
E-meil kyoeihome@sea.plala.or.jp
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_