平素の実践に勘はひらめく

会社経営は、決断の連続です。日々、大小様々な判断、選択、決断が求められます。

様々な選択肢の中から一つを選択するために、時には膨大なデータを読み込み、人の意見を聞き、あらゆることを勘案し、考えに考え抜いても、最後はいわゆる勘、ひらめきによって決断することも多いでしょう。

「経営の神様」といわれた松下幸之助は、何かを判断する時に、実に鋭い勘を持っていたそうです。しかし、その一方で「勘で判断してそれでよしとするのではなく、自分の勘を確かめるように何度も納得のいくまで考え続けていた」と、二十年以上にわたって身近に接してきた江口克彦氏は語っています(『心はいつもここにある』PHP研究所)。松下幸之助は、勘の鋭い人でありながら、「なぜ」という問いを繰り返す「考えぬく人」でもあったようです。

囲碁や将棋、あるいは相撲など勝負事の世界でも、勘は非常に重要です。ひらめいた一手がその後の流れをつくり、一瞬の判断が勝敗を左右します。そして、多くの達人、名人が語るように、そうした時の勘も、日常の「なぜ」を追求する努力、一つのことを研究練磨する中に磨かれていきます。つまり、平素のあり方こそが、「いざ勝負」という時の勘働きに大きな影響を及ぼしているのです。

倫理研究所の第二代理事長であった丸山竹秋は、直観や勘のひらめきについては、生活全般の様々なことが大きく関係していると述べました。

「親にいつもタテつき、人とケンカをし、食を粗末にし、環境(まわり)や自然をバカにしている者には、勘はひらめかない」(「勘をはたらかすには」『丸山竹秋選集』)

そして、「何もせずにいて、どうしてあやふやな勘に頼れるか」「濁った心には濁ったものしか映らぬ」と厳しく指摘します。つまり、倫理法人会で学ぶような日常の実践が、勘を映す、その心に磨きをかけるのです。

ある勝負の世界に身を置いていた人は、日頃から身の周りの清掃を怠らず、大勝負の前には、家族で家の大掃除までしたそうです。一見、勝負の世界からかけ離れた日常生活の場を清めることが、自身の心を整え、それが勝負に際して、より良い直観をもたらす土台となることを経験から掴んでいたのでしょう。

経営上の判断には「速さ」と「正確さ」が求められます。気づきや直観が働いても、迷ったり、躊躇していては好機を逃します。時には熟慮することも重要でしょうが、熟慮したつもりが、結果的には迷いや躊躇が生じるのであれば、普段からの「即行」の実践に、より磨きをかけるべきでしょう。それが判断の「速さ」につながるからです。同時に、判断の「正確さ」を高めていくべく、日常の様々な実践を深めていきましょう。

日常の実践を通じて目指すのは、純情(すなお)な心です。勘や気づきを映す濁りのない心が、リーダーとしての迅速な、確かな決断の土台となるのです。

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