研究と聞いただけで、さむ気がすると言う。自分には向かない、むつかしい、誰かほかの人がやればよいこと……などと後込み(しりごみ)をしている。

だが待ってもらいたい。研究とは、そこにも、ここにも、どこにでも、あるはずである。朝の起きかた。顔の洗いかた。歯のみがきかた。食事のしかた……。

研究とは、「よく調べ、考えて真理をきわめること」などと辞書に出ているが、なんでもよく調べ、やってみることで、平凡に、日常些事の中にもあると思い直してみると、これはたいしたおもしろいことなのではなかろうか。

「金もうけをしたいならば、第一にムダ金を使わないことだ」と言った金持ちがいる。その人は朝、顔を洗うとき、水道の水をあまり使わない。ダラダラと流しっぱなしにせず、必要な分だけとり、栓をしめて、水の節約をする。一カ月では何十リットル分の水が浮くという。一年間の節約水道料金はどのくらいになるか。

チリもつもれば山となる!それを彼は水の節約の面でも、研究し、実践している。

小さなこともよく調べて、節約の中でいかに能率をあげうるかを実験するのが楽しみだという。彼は大会社の社長なのだが、こうして日々、すべてを研究しつづけて、あがった利益はポンと公共の教育費に投げ出して、大きく世の中に貢献している。

ほんとうの意味の富豪といわれる人々の生活は、意外なほど質素であり、いかにして金を活かして使うかなど、私生活にわたって、たえずいろいろと研究し、実践を積んでいるものだ。

「気がついたよいことは、すぐ実行せよ」とは誰でも知っているはずのことであるが、案外に実行できない。いや何かにつけて、分かっているつもりで居ても、実行できないことは、たくさんあるのである。

失敗したときに、冷静に研究してみるとよかろう。気がついたそ

のとき、なぜ実行できなかったのか。ほかのことが気がかりだったのか。まあ、まあと甘くみていたのか。わけはいろいろあるだろうが、その中の一つをとらえてみる。

家事に忙しく明け暮れている人も多い。ではその家事のやりかたを研究調査し、整理工夫をして、ますます能率的に処理できるようにする。これはおもしろいことではないか。

家事は大切なことだ。ある意味では、家族の生活を支えるもっとも重大なこと、基礎である。なぜなら、家のことがうまく運ばれていないと、生業に差支える。健康にもひびく。大きく言えば、家事がうまくできなければ、世界の平和建設などできないと思う。

毎日の洗濯、掃除――めんどうに思わない方法はないか。「こうやったら、昨日より今日はすこしうまくやれたよ」「さあ、どうやれば明日はなおうまくできる?」、ここにこそおもしろ味があるのではなかろうか。

(『新世』昭和63年12月号「新世言」

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
〒813-0003
福岡市東区香住ヶ丘6丁目3番8号

お客様と共に栄える
株式会社 キョウエイホーム
代表取締役   末本 要一

TEL   092-401-9009 FAX 092-401-9007
携帯   090-8960-0770
HP    http://www.kyoeihome.net/
E-meil kyoeihome@sea.plala.or.jp
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_