変化の激しい時代を切り拓く鍵は「捨てる」にあります。捨てるとは「変わる」ということです。一切を徹底的に捨てて、変えるべきものは大胆に変えてしまうのです。捨てる実践は、新しい経営の道を築いていくために避けて通れない道であるといえます。
人生はボートを漕いでいる姿にたとえられます。過去を押しやりながら、見えない背中の方に向かって進んでいるのです。企業経営にはリスクが多いものですが、だからこそ面白いとも表現できます。平素から難関を打開する力を備えていくために、以下の実践を徹底していきましょう。
一、気づいたらすぐする(即行)
二、準備をよくする(用意周到)
三、一気呵成(全力をあげて成し遂げる)
四、押して押し通す(一歩も退かない)
五、反復不退(出来上がるまで続ける)
六、すべてを捨て去る(苦境の打開策が生まれ、一挙に解決する)
では何を捨てるか。捨てるべき心とはどんなものなのか。
①業界の常識を捨てる
②先入観、固定観念を捨てる
③見栄や体裁を捨てる
④執着心を捨てる
⑤高慢心を捨てる
⑥消極心を捨てる
様々なものを思い切って捨て去ると、己を生かしている生命力が旺盛にみなぎってくるものです。わがまま勝手な心を捨て去ることで、幸福をつかむことができるのです。
それでは、本来持っているわがままを、どうやって捨て切ればよいのでしょう。それにはまずチャレンジ精神に燃えることです。未知なるものに挑むことです。戦いに挑むくらいの勢いで、押して押して押しまくるのです。
まず目の前の環境に挑みましょう。初めてやることでも避けたり逃げようとせず、「待ってました!」と自分から手を上げ、与えられたチャンスを逃さないのです。
そのための根本的な心の据えどころは、すべての出来事を肯定することです。自分に降りかかってくる事象、自分に関わるあらゆる環境、それら一切を「これがよい」と明るく受け切っていくのです。
将来というのは「現在」の延長線上にあるものです。家庭、職場、あらゆる組織・集団の中で、今までやらなかったことやできなかったことを徹底してやっていく意志を、はっきりと明確にするのです。さあ、目標実現に向かって進んでいきましょう。
その最強の実践として、苦手に挑むことが挙げられます。心を決めれば環境が変わります。苦手に挑戦していく時に、必ずや環境を切り拓くことができます。
苦手から目をそらさず、苦手に挑まなければ、道は絶対に拓けません。無風地帯の楽な方向に逃げてばかりいては、未来の道行きに希望はないのです。
目前の環境に挑む、目標の実現に挑む、そして苦手に挑む。こうしたチャレンジ精神を高めていく時、つまらない思惑や小細工を捨てることへと自然につながっていくものです。
私たちの周りに、捨てる実践は無限にあることを知りましょう。