今期も倫理経営講演会が開催されました。全国の約七〇〇カ所を数える単位倫理法人会において、「倫理経営」の持つ素晴らしさを力強く訴えかけました。
また、誰もが直面している出口の見えない厳しい経済状況を切り開く上において、講師や事業体験報告者(あるいは活力朝礼実演企業)から、実体験に基づいたその重要性と必要性についても呼びかけました。
倫理経営講演会は、未会員に向けて倫理経営をアピールするための、年間を通じての最大行事です。松の内も明けない時期に開催する単会を皮切りに、六月末までの半年にわたって行なわれます。
その間、全国総計約一万五〇〇〇人超の役職者である経営者の会友が、必死に(本当に死にもの狂いの形相で)、時間・体力・労力・知力・財力等を出し合って、全国およそ十万人前後の動員を果たします。全国の倫理法人会が同じ熱い想い、同じスタイルで日本をよくする大きな器づくりに参画し合うのです。
各単会において倫理経営講演会を開催し、この行事を通して全国の仲間と結ばれ合い、響き合って共同開発ができることは、大いなる誇りでもあるといえます。
当講演会の内容について、あらためて振り返ってみましょう。
▼テーマにこめられた想い
テーマ①「朝に活路あり」。家庭も企業も国家も、再建、繁栄、発展永続の第一歩は、国民の早起き、朝起きの習慣からということがメッセージとしてこめられています。朝一番の凛とした気を胸一杯に吸い込むことの尊さを、より多くの方々に再認識していただく思いも併せて含んでいます。
テーマ②「易不易」。経営の経の字には不易なる変えてはならない縦軸の意味があり、営の字には易なる変革の意味があります。そもそも経営という言葉そのものが、易不易の実相を表わしているのです。経営理念や創業精神などの「不易」として守り通す面、時代や社会状況に応じて手を打っていく経営手法などの「易」の面、その両者の不断の進行こそが発展をもたらす原理であるとのメッセージをこめました。その意味において、老舗は業界最先端を歩む変革の歴史を有するともいえましょう。
▼示された実践
毎週一回、決まった曜日に経営者モーニングセミナーは開催されますが、そのために「週に一度だけ早起きをする」という方があります。講演会では「週に一度を基軸として朝型生活、ならびに早朝経営にシフトしましょう。目覚めたらサッと飛び起きて活動を始める〈朝起き〉にもチャレンジしてみましょう。さらに、我等の生命の根源である太陽を仰ぎ、感謝と御礼を捧げる生活に努めましょう。肉体も家庭も企業も中心を得て、一つにまとまります」と訴えかけました。
易不易に関しては、経営の手段や手法において、変えられる面や変えねばならない面を「いかに変えられるか」がポイントでした。例えば、情報発信、広報宣伝面においては、電話からファックス、インターネットへとその手段が移り変わりました。元来、人は変わりたくないという惰性に流されやすいものです。しかしそこで「変える勇気」を奮い立たせようと強く説いたのです。