永続的な企業発展はトップの変革にあり

中小企業を取り巻く環境は、現在も厳しい
状況が続いています。倫理法人会でいかに学
び、そしてどのように実践することが、自社
の発展につながるのでしょうか。
第一は、トップとして、よりよく変革して
いくことです。中小企業の場合、企業の盛衰
はトップが握っているといえるでしょう。「ト
ップが変われば企業が変わる」「企業はトップ
の器以上にはならない」という言葉には真実
味があります。企業が時代の流れに適応し続
けていくためには、リーダー自らが変わり続
け、成長していくことが求められます。
ところが、自らを成長させたいと願う一方
で、〈変わらなくてもいい〉と現状維持を望ん
でしまう自分もどこかにあるのではないでし
ょうか。あるいは、いらぬプライドが、これ
までの自分から変化していくことを許さない
のかもしれません。
経営者モーニングセミナーなどの学習の場
を通じて私たちが学ぶのは、純粋倫理と呼ば
れる生活法則です。その核心は「心のありよ
う」です。どのような心持ちで取り組んだか
が、物事の結果に直接的に結びついているか
らです。ではどのような心が求められるので
しょうか。そのひとつが明朗です。
明るく朗らかな心を常に持ち続けることで、
希望を高く掲げつつ、周囲の人間を勇気づけ
て進むことができるでしょう。もし何か不慮
の事態が起こったとしても、動じることなく
前向きに捉えて乗り越えていくことができる
のです。モーニングセミナーに参加している
会員企業の経営者は、総じて明るく前向きで
す。それは日常の学びと実践の賜物にほかな
りません。
第二は、企業として目指すもの、すなわち
目的・理念に磨きをかけ、揺るぎない企業の
縦軸として確立していくことです。純粋倫理
という生活法則に照らして、企業理念を見直
してみたり、トップ自身がその理念に見合う
生き方をしているかを問い直すことが重要で
す。理念もなく、ただ利益にのみ走る経営が
どのような結果を招くかは、歴史が証明して
いるところです。その理念の要素を端的に示
すなら、それは「世のため人のため」という
ことになるでしょう。
第三は、その企業・店舗の社員が働きがい
や喜びを見いだせる場づくりをすることです。
その「道具」として、倫理法人会では活力朝
礼の導入を推進しています。『職場の教養』を
活用し、感想を述べ合うことは、積極的に仕
事に取り組む心を養います
また挨拶や返事などのトレーニングは、一
見すると堅苦しいように思えますが、継続し
ていくことで一人ひとりの個性が磨かれてい
きます。それが結果として、活気に満ちた職
場を作り出していくのです。
しかし朝礼だけを良くしようとしても、結
果は出ないでしょう。前述のように、「企業と
して何を目指すのか」「経営者が何のために生
きるのか」がベースとして確立されていなけ
れば、どんなに素晴らしい朝礼を作り上げた
としても、砂上の楼閣に終わります。
激動の時代を乗り越え、お客様、取引先、
共に働く社員、そして地域社会になくてはな
らない企業として発展・永続していく。その
ために経営者自らが学びと実践を深化させ、
周囲に喜ばれる自分づくりをしていこうでは
ありませんか。