倫理法人会は日本創生をスローガンに掲げています。「創生」とは単なる再生ではなく、創造的に生まれ変わることを意味します。
大きな変動期の中では、歴史や先人から真摯に学ぶことが大切です。また、日本が存在する意義を確立していかなければ、国際社会で生き残ることは出来ないでしょう。
経営者をはじめとしたリーダーが、純粋倫理にある生活法則を学んで実践し、自己革新していくことを通じて、企業や家庭をより良くすることができます。ひいては、地域社会を、さらには日本をより良くするための諸活動を展開していけるのです。
純粋倫理は、実践すれば結果が現われる生活法則です。世間一般的な倫理道徳は、先人たちの叡智の結晶です。現代において大いに役立つものがある一方で、その成果が限定的であったり、具体的な事象に対してどう対応するかという点でわかりにくかったりするものもあります。純粋倫理は、誰もが実践すれば幸福になる法則です。つまり、「わかりやすく、いつ、どこで、誰が」行なっても結果が現われるということです。そして、その核となるのが、「心の有りよう」なのです。
ある産科医院に早産の赤ちゃんがいました。未熟児のためか、泣声に元気がありません。授乳時には少ししか飲まないので、母親も心配で母乳の出が悪くなることもあります。こういう時、看護師が掛けるひと言が状況を変えることがあります。一度の授乳で、50㏄飲んでほしいところを、10㏄しか飲まなかったとします。その際、看護師が、「10㏄も飲めて、良かったわね」と声を掛けます。すると母親は、安心し、希望を見出すのです。母乳もよく出るようになり、赤ちゃんも少しずつ授乳の量が増えていくというのです。これは看護師のひと言が母親の心に光をもたらし、状況が好転したという一例です。
人の行為は、心の有りように基づいているといえます。すなわち、行為の結果を握っているのは、その主体である人の心なのです。
純粋倫理では、その心を様々な実践を通じ、「純情(すなお)」な心に磨いていきます。その実践の指標として、「明朗【ほがらか】、愛和【なかよく】、喜働【よろこんではたらく】」という三つを掲げています。純情ということを重要視するのには、いくつか理由があります。
一つ目は、純情な心は、物事を正しく見る土台となります。欲やエゴによって心が曇っていたり、歪んでいたりすると物事を正しく見抜くことは出来ません。
二つ目は、その純情な心が包含している明朗な心が、必要な人や物を引き寄せていきます。この二点だけを見ても、純情な心がリーダーにとっていかに重要であるかが理解できるでしょう。
そして、これらは、多くの倫理法人会員の実践によって、証明されているのです。
激変する時代の中で、リーダーとしてどのように脱皮していくかに、企業の盛衰がかかっているといえます。純粋倫理を活用し、より良きリーダー力を発揮していこうではありませんか。