『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

4月18日 「強恕の道」

 

強恕して行ふ、仁を求むることこれより近きはなしとは、何等の親切の教ぞや。大儀なることを勉強してすると、人の情を思ひ遣りて己の行ひをするとより学問は始まることにて、是れ強恕の道なり。 安政3年5月14日「講孟劄記」

【訳】

強恕、つまり大いに努力し、まごころから人をおもいやることこそ仁を求めるには最も近い方法である。とは本当に親切な教えであるなあ。骨の折れることを強いて行うこと、また人の気持ちを思いやりながら自分が実践することから学問は始まるのである。これが孟子のいう強恕という生き方である。