川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
4月21日 「決して言はれぬなり」
各々其の職の上に於て、天命時運と云ふことは決して言はれぬなり。(中略)己が職を自ら廃し、是れを時運天命に附せば、不忠不孝、不仁不義、皆時運天命になるなり。 安政3年5月17日「講孟劄記」
【訳】
それぞれの人が、自分の職務上のことについて、天によって定められた宿命であるとか、時の巡り合わせであるなどということは、決していうことはできない。(中略)自分の職責を自分から放棄し、これを時運や天命の責任というのであれば、不忠、不孝、不仁、不義なども、みんな時運、天命となってしまう。