川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
「深憂とすべきは」
深憂とすべきは人心の正しからざるなり。苟も人心だに正しければ、百死以て国を守る、其の間勝敗利鈍ありと云へども、未だ遽かに国家を失ふに至らず。 安政2年8月26日「講孟劄記」
【訳】
深く憂うべきは人々の心が正しくないことである。仮にも、心さえ正しければ、全ての人々が命をなげうち、国を守るであろう。とすれば、その間に、勝ち負け、また、出来不出来があったとしても、決して急速に国家が滅亡することはない。