『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

「乱とは」

 

明の※葉向高曰く、「乱とは禍変の説に非ざるなり、法紀凌遅し人心囂競す。即ち之を乱と謂ふ」と。 安政2年「獄舎問答」

【訳】

明の葉向高がいっている。「(国家が)乱れるというのは、災いとなるような騒動をいうのではない。(国民に)法律など、規則を守る心が次第に衰退し、人々が栄達のみを求めて、争い騒ぐ状態となること。これを乱という」と。

※生没不詳。中国、福清の人。光宗の時宦官と争い、遂に官を辞して去ったという。