『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

「覚悟を失はず」 

凡そ士たる者何程困窮すと云へども、遂に士の覚悟を失はず、又顕達すると云へども、富貴に淫して平生の志を亡失することなく、治を致し民を沢し民の素望に協ふなり。  安政3年5月17日「講孟劄記」

【訳】

だいたい侍というものは、どれほど困窮しても、絶対に侍の覚悟は失わない。また、立身出世をしたとしても、富裕や高貴におぼれて、日頃の志を忘れることはない。正しい政治をして、民に恵を与え、彼等の期待にそうものである。