川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
6月9日 「速久処仕已に初めに決す」
易に云ふ如く、「君子は幾を見て作ち、日を終ることを待たず」の理にて、道の否泰、時の可否は聖人一目瞭然にして、速久処仕已に初めに決す、亦明決ならずや。 安政3年6月7日「講孟劄記」
【訳】
『易経』にいうように、「心ある立派な人は、ことのきざしを見て、すぐに行動を起こし、一日たりともぐずぐずしてがいない」。この通りであり、聖人は、人としての道が正しくないか、正しいか、また、時宜が適当であるか否かをすぐに見抜き、その最初において、自分の進退を決めている。まことにはっきりした決意ではないか。