川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
6月11日 「武士道が闕くる」
武士たる者は只今にても君命あらんには、槍を提げ馬に打乗り、水火に駆け込むべき身分なれば、飲食男女の欲を縦にし、疾病を生じ、懶惰に陥り、気根を弱くしては、武士道が闕くるなり。 安政3年8月以降「武教全書講録」
【訳】
武士たるものは、今すぐにでも命令があれば、槍をひっさげ馬に乗り、水や火の中に駆け込むべき身である。だから、暴飲暴食をしたり、男女の欲望を貪ったり、病気になったり、ものぐさになったり、気力や根気を弱くしたりしては、武士の道に欠けるというものである。