川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
「仁義同根」
仁義同根にして、遇ふ所にて因りて名を異にするのみ。父子には仁と云ひ<親と云ひ慈孝と云ふ、皆仁なり>君臣には義と云ふ其の実は一心より流出する所なり。 安政3年3月22日「講孟劄記」
※<>内は割註。以下同。
【訳】
仁と義は同じ根から生じたものであり、対象によって名前が違っているだけである。つまり、父子の間では仁といい、<親しむといい、また、親を慈しみ孝を尽くすというのも、皆、仁のことである>君臣の間では義という。それらの実際は、一つのまごころから出たものである。