『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

「千古一道」 

四目を明にし、四聡を達すとは、古聖の明訓なり。而して其の道二あり。天下の賢能に交はり、天下の書籍を読むに過ぎず。(中略)有志の君、千古一道、要は目を明にし聡を達するに帰すると、ひそかに感嘆し奉る所なり。  嘉永6年8月「将及私言」

【訳】

広く四方の事物を見聞し、広く四方の万民の意見を聞いて、君主の耳に意見が入るのをさまたげることのないようにせよ、とは昔の聖人の立派な教えである。そして、そこに至る方法は二つある。広く賢者と交際すること、そして、広く読書をすることである。(中略)志のある君主たる道、それはいつの世にも一つであり、不変である。要点は見聞を広め、人々の意見を聞くことである、と。人知れず、感心し褒めたたえています。