川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
6月29日 「士此の世に生まれては」
士此の世に生まれては、才の高下と学の深浅とに随ひて、各々志す所なくんばあらず、但だ事変に遭逢して、自ら暴棄に安んずるは、是れ悲しむべきのみ。 安 政4年8月17日「※木原慎斎に与ふる書」
【訳】
侍たるもの、この世に生を受けたからには、もって生まれた才能の高下、修めた学問の深浅に従って、それぞれ志す所がなければいけない。ただ、避けることのできない辛い状況に出会って、自暴自棄になることは、実に悲しむべきことである。