川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
7月4日 「己れを以て人を責むることなく」
己れを以て人を責むることなく、一を以て百を廃することなく、長を取りて短を捨て、心を察して跡を略らば、則ち天下いづくにか往くとして隣なからん。 安
政2年7月4日「※徳、字は有隣の説」
【訳】
自分の尺度のみで他人を批判しない。一つの失敗だけで、その人の全てを駄目だといって見捨てない。その人の長所を取り上げ、短所は見ないようにする。心中を察し
て、結果を見ないようする。このような気持ちで生きれば、どこへ行こうとも人が集まってこないことがあろうか。ありはしない。
※富永有隣。徳は名。野山獄の同囚。出獄後、松下村熟で松陰を助けた。