川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
7月14日 「争臣七人あらば」
※趙弘智(中略)曰く、「天子に争臣七人あらば、無道と雖も天下を失はず」」と。是れ等の活眼、道学先生の夢想だに及ばざる所なり。 安政3年10月24日「幽窓
随筆」
【訳】
趙弘智が(中略)いった。「遠慮せず自分の信ずるところを述べて、天子と論争する家来が七人あらば、政治が一時的に道理にはずれた状態となっても、国家を失うよう
なことはない」と。この、事物の道理をよく見通した眼識は、道理にのみ偏して、世事にうとい頑固な学者など、夢にも思いつかない所である。
※生没不詳。中国、唐の学者。幼少より、孝行で有名だったという。