『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月3日 「士苟も仕籍に登らば」 

 

清人管同云はく、「士苟も仕籍に登らば、当に一二節の卓々として伝誦すべき事を為すべし。若し終身縻然として、諸俗吏の後に従はしめば、栄達すと雖も、何ぞ言ふ
に足らん」と。  安政3年9月10日「※中村道太に贈る」

【訳】

清国人の管同がいった。「武士たるもの、仮にも武士として仕官するのであれば、一つか二つは、節義が高く抜きんでた男だったと、人々が後々までも語り伝えるよう
な生き方、仕事をこそなすべきである。もしも生涯、消極的な気持ちで、くだらない役人の後ばかりに従うのであれば、どんなに立身出世しようにも、どうして評価する
ことなどできようか。できはしない」と。