『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版

『吉田松陰一日一言』

―魂を鼓舞する感奮語録―

8月5日 「無用の言を言はざる」

吾が性多言なり、多言は敬を失し誠を散づ、故に無用の言を言はざるを第一戒と為す。  安政6年5月24日「※1李卓吾の『劉肖川に別るる書』の後に書して※2子大に訣る」

【訳】

私はどうも多弁な性格である。多言であれば、敬いの気持ちを失い、まごころが散り失せてしまいがちになる。だから、必要のない言葉は口にしない、ということを第一の戒めとしている。

※1 1527~1602。中国明代の思想家。

※2 長州藩士 佐間忠三郎昌昭。松下村塾の門人。子大は字。