川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
8月20日 「互いに寛容致し」
多人数の中には、自然気性の不同も之あるもの候へども、此れ等の類大概私心より起る事に候へば、互いに寛容致し、隔心之れなき様相心得、先進を敬ひ後進を導き候
儀、肝要たるべく候事。 嘉永元年12月「兵学寮掟書条々」
【訳】
多くの人がいる中には、自ずと気持ちの合わないものもいるだろう。しかし、これはたいてい、私心、俺が俺がという、私欲をはかる心から起こることである。そこ
で、お互いに咎めだてしないようにし、へだてのある心を起こさないよう、気を配ることが大切である。また、先輩を敬い、後輩を正しく導く、ということが非常に大
切である。