川口雅昭氏
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
10月22日 「人才育せざるべからず」
人才育せざるべからず。(中略)蓋し人各々能あり不能あり、物の斉しからざるは物の情なり。
(中略)斉しからざる人を一斉ならしめんとせず、所謂才なる者を育することを務むべし。
(中略)今の弊、闔国の人をして皆一斉ならしめんと欲するに在り。
而して却つて其の間、才なる者を特出するを見ず。
嘉永4年4月以降「※山田治心気斎先生に贈る書」
【訳】
人のもって生まれた才能というものは、育てずにおくべきではない。
(中略)ただし、人にはそれぞれできることとできないことがある。
物が同じではないというのは物の本質である。
(中略)同じではない人を同じにしようなどとせず、いわゆる、その人の優れた才能を育てることに努めるべきである。
(中略)今の欠点は、全国の人をみんな同じようにしようと願っていることである。
そうであるから、かえって、我が国では才能の特に秀でた人を見ないのである。
※長州藩 山田宇右衛門。治心気斎は号。松陰は幼少時よりその教えを受け、最も影響を受けたといわれる。
人それぞれの長所を見つけ、その長所を伸ばすべきですね。