『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

11月10日 「事務を知る者は俊傑に在り」

古人云はく、「儒生俗吏安んぞ ※1事務を知らん、事務を知る者は俊傑に在り」と。   
嘉永6年11月6日「※2有吉市郎兵衛あての書翰」

【訳】

昔の人がいった。「くだらない学者や役人に、どうしてその時になすべきことが分かろうか。
それが分かるのは、心ある立派な人物だけである」と。

※1 事務は時務である。時務とはその時になすべき政務などの課題。

※2 肥後熊本藩の家老。 嘉永6年、松陰は熊本で有吉を訪ね、教えを受けている。
ちなみに、この手紙は、『吉田松陰全集』では、「嘉永4年11月6日 某宛」となっている。