川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
11月3日 「人材を長育するには」
大凡人材を長育するには其れをして多く怪異非常愧づべきの事を見聞せしむるに如くはなし。蓋し尋常庸々の事は以て新たに視聴に入るるも其の志気を発励するに足らざるなり。
嘉永5年8月26日「※治心気斎先生に与ふる第三書」
【訳】
だいたい人材を大きく育てるには、不思議なこと、普通と違うこと、また自分を恥ずかしく思うようなこと、驚喜するようなことなどを見聞きさせることが一番だと思います。当たり前の平凡なことをは、新しい経験となるでしょうが、それで新たに志を立て、励むには足りません。
※長州藩 山田宇右衛門。治心気斎は号。松陰は幼少時よりその教えを受け、最も影響を受けたといわれる。