『吉田松陰一日一言』

川口雅昭氏編  致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―

12月12日 「是れが気魄の源なり」

平時喋々たるは、事に臨んで必ず唖。平時炎々たるは事に臨んで必ず滅す。
(中略)平時は大抵用事の外一言せず、一言する時は必ず温然和気婦人好女の如し。
是れが気魄の源なり。慎言謹行卑言低声になくては大気魄は出るものに非ず。   
安政6年2月下旬「諸友あての書翰」

【訳】

日ごろぺらぺらとしゃべっている男は、いざという段になると尻込みして、黙ってしまう。
日ごろ勢いのいい男は、いざという段になると、その勢いが消えてしまう。(中略)
日ごろは、だいたい用事がある時以外は、しゃべらない。しゃべる時には必ず、
穏やかに、和やかに、まるで婦人やよき女性のようにする。これが気魄の根源である。
言葉を慎み、行いを慎み、へりくだった言葉、小さな声でなければ、大きな気魄というものはでるものではない。