アジア丸のタグボート

あなたは先を見ることが、どのくらいできるのか。先を見なければ、計画も企画もできない。
しかし実はこれがなかなかむつかしい時が多い。見ることができないこともある。よく見える時もある。
だが、それでおもしろいのだ。見えなくて。ビシャンとたたかれ、泣きたくなることもある。
だがそれが、よいのである。ただ泣いているだけでは、意味がないではないか。
 先のこととは、時間的、空間的にいえる。いつ、どこで、である。
 大切なのは、先のことばかりではない。もっとも重大なのは、今どうすべきか、である。
これをはっきりさせてこそ、いのちをみなぎらせることができる。
そのために先のことを想い、目標をはっきりさせるのである。目標がなければ、歩けないではないか。
先を見るその目安は、つぎのことがらである。
第一、地球全体の安泰健全発展を地球人すべて、もっとも真剣に考えること。
理由、地球の生態系が破壊され、大気、山、海が異常化されると、人類も生存できなくなる。
人類が生存できなくなると、同時に人類の文化も破滅し、学問、芸術、政治、経済など無に帰する。
 このことは世界の大きな問題となり、いろいろと述べられているが、なかなかひろく徹底自覚されていない。
一般の人々は、その日その日の生活に追われ、目前の利の追求に汲々としている。そ
して人類は生物中もっとも愚かな自殺集団動物に化しつつあるのではないか。
 まず政治家、企業家のリーダーたち、知識人と自ら思っている人たちその他から、
すすんでまずゴミの清掃からはじめ、ひろく世間を啓蒙すべきである。これは人間としての重大事である。
まわりをきれいにすることは心を浄めることである。精神の修練である。馬鹿にしてはいけない。
 第二、地域的にはアジア全体に目をそそいでその将来を思うべきである。
やがて二十一世紀には、アジアは世界中でもっとも活気あふれる地帯となるであろう。
人口的、経済的、産業的に世界中でアジアを凌駕することはむつかしくなる。とくに中国は華僑、華人を含めて目ざましく発展する。
アジアのパワーはアメリカに追いつき、ヨーロッパを追い越し、世界中のもっとも重要な部門を背負うようになるであろう。
この事実を見逃して、ボンヤリと眠りこけているようではいけない。
 第三、このような偉大なアジアという巨船に対して、日本はそのタグボートの役割を背負うべきである。
 アジアという大巨船(アジア丸)はいかに共栄繁栄し、いかに地球全体の健全発展に貢献すべきか。
日本は世界中の港への曳き船、押し船であるべきだ。これはもちろん難問である。アジアのリーダーなどと威張ってはいけない。
日本人は、もっと自国の文化を充実させ、その品格品位を高めつつ、まずアジアの諸民族に尽くすべきである。

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アジア丸のタグボートの日本人として出来ること
掃除・ゴミ拾いを継続します。