感謝こそ最大の気力

自分が望む順風満帆の理想的な状況。
現在の自分を取り巻く厳しい現状。多くの人にとって、このギャップが課題であり、苦難といえるでしょう。
乖離した理想と現実との深い溝を埋めるには、まずは与えられた現状に対して――たとえそれが受け入れがたい状況でも――
真正面から受け止めることです。右往左往することなく、冷静にこの状況に至るまでの過程を見つめて、
より客観的な目でその原因を捉えることが先決です。
もちろん苦難の只中に閉ざされた時は、冷静な観察眼を発揮するのは難しいのが現実です。
心配事が脳裏を駆け巡り、物事を悪い方向ばかりに考えてしまいがちです。
しかし、行なうべき手立てを講じることなく、手をこまぬいていたり、責任転嫁に血道を上げていればどうなるでしょう。
状況は好転するどころか、いっそう悪くなるばかりでしょう。
こうした状況から脱する一つの方途は、「ない」ことへの不平不満から、「ある」ことへの感謝の念を深めることです。
周囲の人や物、環境への「恩」の自覚を再確認することが肝要です。
『下剋上受験』(産経新聞出版)という、受験生を持つ親たちを中心に、ベストセラーになっている本があります。
著者の桜井信一氏は、中学卒の両親のもとに生まれ、自身も妻も中学卒という最終学歴です。
そうした状況の中、一念発起して娘を私立女子中学校の超難関校へ入学させることを決意しました。
そのために選んだ方法は、進学塾に通わせるのではありません。「親塾」と称して、娘と一緒に自らが受験勉強に打ち込んだのです。
結果、第一志望校にこそ合格は叶いませんでしたが、超難関の有名私立中学へ進学させることができたのです。
桜井氏の中には、子供もまた自分と同じような道を辿るかもしれないという「負のスパイラル」を断ち切りたい思いがあったようです。
何より、単に高学歴を望むのではなく、愛するわが娘の可能性を広げることが一番の願いでした。
そのために、自らの挑戦として、仕事と娘の受験勉強サポートの両立を課したのです。
著書には、受験勉強の過程でのとまどいや葛藤、逆境が綴られています。
そして、その過程で、様々な方から受けた恩をはじめとした貴重な気づきがあったと振り返っています。
家族の絆をより強く育むことができたと言います。
厳しい状況の時こそ、安易な手練手管に頼るのではなく、自分が今こうして人生を歩むことができていることへの恩意識を再確認し、
周囲への感謝の念を深めることで、困難を乗り越える大きなエネルギーを得られるものです。
「感謝は最大の気力」と言います。逆に気力が湧かない人は、周囲への感謝の念が乏しい人とも言えるかもしれません。
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今48歳、元気で生活出来ることに、両親・ご先祖様に感謝です。
またこの環境に感謝です。
創業間もなく8周年、今迄のお客様、仕事をして頂きました協力業者さんに感謝です。