川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
1月13日 「学を為すの要」
学者師を求むるを以て云はんに、師を求めざるの前に先づ実心定まり実事立ちて、然る後往きて師を求むべし。
凡そ学を為すの要、皆爰にあり。思ふことありて未だ達せず、為すことありて未だ成らず。
是に於て憤悱して学に志し、而して師を求む。是れ実事ありと云ふべし。
安政3年5月26日「講孟劄記」
【訳】
学問に志すものが師を求める、ということでいえば、師を求める前に、まず実心、心から師につきたいという真摯な心が定まり。
また、実事、つまり、このことを学びたいという具体的なことを確立させて、それから初めて師のもとを訪ね、
師とすることを求めるべきである。学問のポイントはここにある。
思うことがあるが、まだ、自分の中で明確にならず、また、すべきことがあっても、
まだなし遂げることができないという状態になって、初めて憤然として学問に志し、
そして、師を求めるということであれば、実事があるというべきである。
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まずは、何のためか。