川口雅昭氏編 致知出版
『吉田松陰一日一言』
―魂を鼓舞する感奮語録―
1月23日 「武士を以てすべし」
吾れの自ら処るは当に学者を以てすべし。謂ふ所の学なるものは書を読み詩を作るの謂に非ず。
身の職を尽くして世用に供するのみ。又当に武士を以てすべし。
謂ふ所の武なるものは麤暴(そぼう)の謂に非ず、君に事へて生を懐はざるのみ。 弘化4年「寡欲録」
【訳】
私は学者でありたい。ここでの学というものは、本を読み、詩を詠むという意味ではない。
自分の職分を尽くし、世間に有益なものを提供するだけである。また、武士でありたい。
ここでの武士というものは、荒々しいという意味ではない。主人に仕える時、生きるということを考えないことである。
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今の世に無くなっている思いですね。
公務員の方々が、昔の武士の気概だったら。
1月22日 「学の道たる」
蓋し学の道たる、己が才能を衒(ひけらか)して人を屈する所以に非ず。人を教育して同じく善に帰せんと欲する所以なり。 安政2年11月13日「講孟劄記」
【訳】
思うに、学問は、自分の才能を見せびらかして、人を従わせるためのものではない。人を教育して、一緒に、よき人になろうとすることである。