住まいのリフォーム どこまでできる?

住まいのリフォーム どこまでできる?

 「壁や柱をこわしても、家が倒れない?」
 「増築したいけど、大丈夫?」
 「築20年は、リフォームより思い切って建て替えたほうがいい?」

 マンションと比較すると、自由気ままにリフォームができそうな一戸建住宅。
 でも、いったいどこまでリフォームができ夢が実現するのか、判断しにくいものです。

 ここでは、そんな皆さまの素朴な疑問にお答えします。

 ● 工法で違うリフォーム工事

  リフォームするとき、壁をとって広い部屋にしたり、
  扉や窓の位置を移動したいことがあります。

  こんなとき、柱や壁を取りはずしたりしても、構造的に
  問題がないかをチェックする必要があります。

 ■在来工法(木造軸組工法)

○撤去が可能な柱と撤去してはならない柱があります。

在来工法の場合、一般的に1階の柱は2階をささえているので撤去するのが難しい部分が多く、あまり荷重がかかっていない2階の柱などは、比較的撤去しやすいと考えることができます。 その大きな荷重がかかっているところやその柱に対して、何本かの梁が集中しているところは、抜かずに残しておいたほうがよいという判断になります。 撤去できない柱などは、その柱を中心にテーブルなどをつくると邪魔にならないプランとなります。

○平屋の2階増築は慎重に

増築する場合などは、横の増築の場合は問題ないのですが、例えば平屋を2階建にするのは、当初からその2階増築を前提につくられていない限り、問題となります。その増築予定の2階の荷重が1階の柱や梁、基礎などにかかってくるわけですから、家が傾いたり、梁が下がって建具が開かなくなることもあります。
そのために一般に、2階増築は、既存の建物より外で建て、囲んだり跨いだりするように、外側に新しく基礎をつくり、柱を建て、2階部分を支える方法でおこなわれます。しかしながら、この場合でも既存部分にまったく影響を与えないわけにはいかないので、慎重に計画を進める必要があります。

 ■ツーバイフォー工法(2×4工法)

ツーバイフォーは在来工法とはちがい、柱をとったり梁を加えるような工事はできません。その理由は、床・壁・天井を一体に組み立てることによって建物の荷重を支える工法となっており、原則として耐力壁は取り除いたり移動させたりすることができないからです。また、非耐力壁でも、特殊な釘や接着剤などでかなり強固に取り付けられているので、より慎重な判断が必要となります。ただし、その他のリフォーム 例えば内側の改修や外壁の修理などは、ほかの工法と同様に、自由にできます。

 ■鉄筋コンクリート造

この工法は 柱や梁が鉄筋コンクリートでできているので、安易に撤去をすることはできません。しかし、内部の間仕り壁などは、自由に取りはずすことができます。つまり、建物を支えている鉄筋コンクリートの部分を残せば、それ以外の部分は比較的自由に改築することができるわけです。マンションのリフォームがこれに該当します。

 ■鉄骨造

基本的な構造の考え方は、鉄筋コンクリート造と変わらないので、室内の間仕切りの変更は比較的自由にすることができます。
もちろん、構造体は、鉄骨を溶接やボルトによって堅結してつくっているので、その取替えや除去などはほとんど不可能です。したがって、構造体に影響のない範囲でリフォーム工事をする必要があるでしょう。

 ■プレハブ住宅

プレハブ住宅とは、工場でつくられた部材などを現場で組立てるもので、工法や構造もいろいろあります。しかし、プレハブでも、それぞれのメーカーが独自のつくり方をし、部材も特殊なものを使用することが多いので、どこまでリフォームできるか否かはプロでも判断しにくいといえます。改装の場合や構造体は、そのままにして横に増築する場合は、とくに問題はないと思いますが、いずれにしても専門家に相談されることをおすすめします。